真珠のお手入れ方法

基本的な事

ST330016.jpgどんな布でどんなふうに拭いたらいいの?

 そのお手入れ方法はとても簡単です。とにかく「拭く(ふく)」ことです。 着用後や触ったあとに拭いて保管する習慣をつけて頂ければ十分です。 真珠の主成分の炭酸カルシウムは酸や油分を含んだ物質に浸食されてしまう性質を持つのでこれらをまず拭き取る必要があります。 市販されている酸や油分そして水分を拭き取ってくれる眼鏡拭きの布(ポリエステルとかナイロンとか)や専門店が販売したり添付してくれる布等で良いと思います。

よく言われる水洗い

あまりお勧めはしませんが

CIMG0421.jpgひどい汚れの場合とか酸が付着した場合

 夏の暑い日にたっぷりの汗をネックレスにつけてしまった〜、ミカンなどの柑橘類の汁をつけてしまった〜、酢や酢酸を真珠に飛ばしてつけてしまったとか、泥水の中に真珠を落としてしまった(^_^;などの場合。 仕方がありません、水洗いしましょう。 しかし守って頂きたい点が3つあります。

1)水は真水が良いので水道水などは一度、沸騰させた後ぬるま湯になった物を使用する事。
2)柔らかい布で水分は充分取ってしまう事。
3)ドライヤーなど熱機器等を使わず、自然乾燥をさせること。

特に(3)の水分を十分取ったあとの自然乾燥はとても大切です。これを怠るとせっかく汚れが落ちても空気中の酸と水が化学反応を起こして『酸化』してしまう事があります。 酸はカルシウムを溶かし、真珠の『ツヤ』を失ってしまう原因になります。 また、急激な熱処理は真珠層に含まれるタンパク質を破壊してしまう危険性があります。

ネックレスの場合は真珠をつなぎ止めている『糸』がしっかり乾かないと切れやすくなります。できれば(1)に浸した布をほとんど水分が無いのではないかと思われるほど固く絞ってからで水拭きし、(2)(3)として下さい。 〜どうしてもその汚れが取れない場合は糸替えを含めて専門店に頼む方が良いでしょう。

以上の点を守った上で保管前にはやはり『拭いて』から保管して下さい。

保管方法

真珠が嫌う4つの要素

CIMG0420.jpg限りある美しさをできるだけ長く

 真珠の輝きは残念ながら永遠ではありません。 それだけに、その輝きやツヤをできるだけ長く保ちたいのはエンドユーザー(消費者)の方々のみならず、販売者である私たちの願いでもあります。 真珠には極端な乾燥、湿気、強い光、ホコリなどの汚れが悪い影響を与えると解っています。

長期間の使用状況において避ける事のできないこの要素、しかしできる限り退避する事を考えてあげましょう。 (1)湿気と乾燥は真珠層にひび割れ (2)強い光(太陽光や蛍光灯から発せられる紫外線)が真珠の退色や変色 (3)ホコリや酸などが真珠表面に白い粉を吹いたような白色化現象を引き起こしたりします。

(1)はなるべく湿気や乾燥を行い場所に保管するか、湿度調整剤(楽器などに良く使用されます。備長炭などの炭なども良いかもしれません)を宝石のある場所に一緒に入れておくのも良い方法です。 その他では桐箱(桐は年中、宝石にとっても良い湿度環境を保ってくれます)に入れておくのも良いでしょう。
(2)言わずもがな、光から避けてケースや宝石箱などに保管しておく事が最良の保管方法です。
(3)先にも記載しましたが、何といっても拭く事です。 長期間の保管でも「使用していないから大丈夫」と過信せず、できれば年に一度は保管先から出して拭いてあげて下さい。

※保管場所に防虫剤、乾燥剤などは入れないで下さい。防虫剤は『酸』そのものですし、乾燥剤はその名のとうり『乾燥』を招く大敵ですから。

修理メンテナンス

ネックレスの糸替えのタイミング

CIMG0417.jpg黄ばんでしまったネックレスはどうなるの?

結論から言いますと黄ばんでしまった真珠は修復は不可能です。 原理は人間の日焼けと同じで経年に渡る熱と光(紫外線)で炭酸カルシウムを繋ぐタンパク質が黄変してしまったからです。 人間のようにまた白い肌に戻れば言う事はないのですが、真珠の場合はそうも行きません。 そのためにも普段のメンテナンスを怠らず正しい取り扱いとお手入れそして保管をする事が必要となります。

ネックレスのもう一つのメンテナンスの課題である糸替え。 近年はナイロン糸を使用するケースが増えてきているおかげで絹糸を使用している頃と比べ約6〜7倍ほどの強度と耐久性を持つ事ができています。 それに加えて、ワイヤー加工(真珠の間にシリコンを入れて、金具留めは熱処理によるロウ着を施す)の手法により十数年の耐久性を保つ方法も登場しています。

しかし、真珠の有限の美と同じく永久はありません。 絹糸使用(現在はほとんどありませんが)時は1〜3年、ナイロン糸使用の場合は10〜15年(ただし、真珠のサイズが大きい物はその半分位の年月)、ワイヤー加工の場合はシリコンの劣化が10~20%に及んだ場合(目安は20〜50年:ただし使用環境によってはシリコンの劣化は早い)にて糸もしくはワイアーの交換を行う必要があります。

糸替えのタイミングについて、絹糸の場合:購入年度もしくは糸替え年度を確かめ、3年を経過している場合はすぐにでも糸替えをお勧めします。 10年以上を経過しているナイロン糸の場合は真珠と真珠の間が空くように引っ張った時、見えた糸に細かいササクレが確認できたら糸替えをお勧めします。 またササクレは無くとも引っ張ったあとに真珠同士がくっつくまで元に戻らず、糸が見えたままの状態の場合も糸替えをした方が良いでしょう。 ワイヤー加工の場合はシリコンが欠落している部分が全体の10〜20%以上に及んだ場合、真珠の同士に隙間が1~1.5cmできてしまうため交換が必要になります。

その他のメンテナンス

接着剤の劣化

CIMG0418.jpg金具から真珠がぽろり

 やはり経年の劣化により強度が弱ってしまうものに真珠と金具をつなぎ止めている接着剤があります。
その原因は真珠と同じく湿気・乾燥、ホコリなどの汚れ・汗等の酸などです。 一度劣化が進むと修復方法はないので、早めの再接着を行い真珠の落下などの危険を未然に防ぎましょう。 一番有効な接着剤は主剤と硬化剤の2種類を混ぜて使用するガラスやセメント用の接着剤が良いでしょう。 出来れば、瞬間接着剤のようなものではなく、5分〜12時間かけて接着するものがお勧めです。

再接着の際は金具部分に接着剤やゴミなどがあればきれいに取り除き、真珠サイドの穴の中に同じく接着剤やゴミなどが無いか確かめてからにしましょう。真珠の中に残った接着剤のカスを取り除くのは0.6~0.7m/mのドリルもしくは3面カットしたピアノ線針で同じく0.6~0.8m/mのものがベストなのですが...専門店でしか扱ってないかも知れません。 ジュエリーはあくまでもあなたの引き立て役ですが、メンテナンスは怠らず長い期間に渡り愛用して下さい。